top of page

  アマービレに寄せて    

〜過去のプログラムより、共感・激励・期待のメッセージ〜

2011年 第1回コンテストプログラムより

 「第1回アマービレ電子オルガンコンテスト」の開催おめでとうございます。
一般的に電子オルガンのコンクールやコンテストは、楽器メーカー主催のものを意味します。しかしピアノやヴァイオリンなどアコースティック楽器では、「ショパンコンクール」や「浜松国際ピアノコンクール」といったように作曲家や開催都市の冠がついたものが大半であり、そこではスタインウェイ、ヤマハピアノ、カワイピアノなどが演奏者の希望によって自由に選択できます。このコンテストの特長は、アコースティック楽器では当たり前である楽器メーカーの枠を取り去ったことと、楽器の補助機能に頼らない電子オルガン本来の演奏に焦点を当てたことにあるといえます。アマービレコンテストの趣旨が3月に開かれた日本電子キーボード音楽学会幹事会で紹介され、話題になりました。
コンテストのご盛会を祈念しております。       
日本電子キーボード音楽学会 事務局長 阿方 俊
 
 本日、電子オルガンの歴史に新たなページが加わりました。
1934年、アメリカでハモンドオルガンが誕生して以来、楽器・奏法とも画期的な変化と発展を遂げてきました。しかし技術革新による楽器の機能や性能が向上する度に様々な問題も提起されてきました。
 今回のこのコンテストは電子オルガン音楽教育の原点を振り返り、楽器や製造会社という垣根を取り払い、電子オルガン音楽の表現と楽しさを追求しようという趣旨の基に開催されます。
 開催にあたりご尽力頂きました先生方には心より感謝致しますと共に、「アマービレ」が多くの方々より愛され、ますます輪が広まりますようお祈り申し上げます。
聖徳大学音楽学部 教授 岩井孝信
 
 僕は大学時代、ストリングスだけの1音色で(ヤマハエレクトーンEL90の基本レジスト1)何でも練習していました。それは確かにサウンドとしては物足りないのですが、音楽性をその音からどこまで感じて出すことができるのか、を試したくてやっていました。恩師からの「この基本音色で感動させてみなさい」という一言が始まりでした。全てこの音色でタッチトーンやエクスプレッションペダルの駆使、音楽的な呼吸、アゴーギグ、人数感、アーティキュレーション、ダイナミクス、ソリスティックなアプローチなどその経験から得たものは絶大で、今の糧になっています。指先だけではなく、筋肉、足の爪先の神経、目線、姿勢、体全体に及ぶところにまで細胞をすべて使っていたのです。
 音色も大切な要素ですが、わたしたち人間が音楽をする、という行為に楽器の垣根はありません。そこに音楽を紡ごうというエネルギーが一番大切です!今日の1日が真っ直ぐに音楽を感じられる素晴らしい第一歩となりますように!心から応援しています!
電子オルガン奏者 内海源太

 「素のテクニック」を見せる・・演奏者にとってそれは大きな畏怖でありながらも、実は期待に胸が膨らみ腕がなる場だと考えます。飾るものがないという事は、素を見せる恥ずかしさや嬉しさだけでなく、自分と向き合うきっかけにもなるでしょう。電子オルガン奏者として自分の骨格を鍛えるこのコンテストを、歓迎しココロから応援しております。何故なら、この場で鍛えてきたテクニックや表現が、各メーカーのコンテストに持ち帰った時に多く披露されるでしょうから。そんな相互作用に期待しています。今後も「アマービレ電子オルガンコンテスト」が継続し発展していく事を希望切望熱望しております。
エレクトーン・キーボード奏者  アレンジャー  名古屋芸術大学音楽学部 非常勤講師 太田美香                   
 本日は「第1回 アマービレ電子オルガンコンテスト」のご開催、誠におめでとうございます。
 電子オルガンを愛し、研鑽を積もうとする皆さんの心から、このようなコンテストが誕生したことを大変嬉しく感じております。これは、電子オルガンに取り組む人々の目標を定め、演奏することを楽しむと同時に、自分の音楽を数多くの聴衆の前で発表することができる素晴らしい企画です。
 電子オルガンの凄さや可能性は、耳で音を聞くだけではなく、実際に楽器を演奏している様子を目の当たりにすることで、何倍も伝わります。私は、本日参加される全ての皆さんがステージでその実力を発揮されるよう、心から応援します。会場の皆様はどうか彼ら彼女らが披露する日々の練習の成果に、温かい拍手とご声援をお願い申し上げます。
公益財団法人ローランド芸術文化振興財団 理事長 梯 郁太郎

 この度の「アマービレ・オルガン・コンテスト」の誕生に心からのエールを送ります。生まれるべくして生まれた、という思いです。
 電子オルガンはこれまで〝溢れんばかりの音色とエフェクト〝、〝ほとばしる多彩なリズム〟、〝豊富な演奏支援機能であなたも名プレイヤー〟などのキャッチフレーズで多くのファンを獲得してきました。皆がみんな、それで楽しむのは大変けっこうなことです。ところがしばらくして、それに飽き足らない人たちが増えてきました。要するに〝達成感がない〟というのです(もちろん要因は他にもありますが)。この〝達成感〟、そしてそれを得るための努力こそが演奏力アップにつながり、それを促すのがこのコンテストということになると思います。そしてその究極は「この曲をひとつのレジストだけで弾きなさい」。
 そうなると楽器の音質も、もっとグレードアップしなければなりませんね?
作・編曲家 菊地雅春 
 
  何のために演奏をするのでしょう。
「気晴らしのため」、「余暇を充実させたい」、「仲間と楽しみたい」、「スポーツや儀式などのイベントのため」、「特技の一つとしたい」、「将来、音楽を教えたい」、「音楽家を目指したい」等、人によってその動機は様々でしょう。これは人から聞いた話ですが、ヨーロッパの著名なある演奏家に「あなたは何のために演奏をするのですか?」と質問した所、即座に「それは人々を幸せにするためですよ」という答えが返って来たそうです。確かに音楽は辛い気持ちを和らげ、幸せな気分にさせてくれます。
実はこのような効果はストレスを軽減し免疫を整え、健康に良いことが科学的に証明されつつあるのです。このように私たちにとって掛け替えのない存在である音楽に関わること自体が素晴らしいことですし、単なる技量に留まらず、心の内にある音楽を表現し伝えるための基礎的能力が高まれば、人々が幸せになり、そして演奏者自身もそれを分かち合う機会が増すことでしょう。その意味でアマービレ電子オルガンコンテストは意義深く、そのご活動に期待したいと思います。
元ヤマハ(株)常務取締役事業開発本部長兼楽器事業本部 副本部長
現在、㈱健康ライフサイエンス 顧問 和智正忠

2012年 第2回コンテストプログラムより

  モーツァルトのトルコ行進曲が作曲された当時はシンバルなども一緒に演奏出来るようになっているピアノがありました。
 一人でいくつもの音色をだすことができるという意味では、シアターオルガンがあります。昔は映画がまだ音が出なかったので画面を見ながら活弁士がしゃべっていましたが、言葉だけでは寂しいので盛り上げるためにオーケストラ伴奏で豪華にやろうとしたようです。しかし当時のフィルムは時々焼き切れるので、それをつなぎ合わせる間待たされたわけです。でもオーケストラのほうは次は何小節目からセェ~ノッ!などとやっていられないので、臨機応変に一人で即興演奏の出来るパイプオルガンを使おうとしました。しかし教会で使う厳かな音しか出ないのでは面白くないので、いろんな鍵盤楽器やドラム、サイレン、汽笛などで豪華に着飾ったオルガンが誕生しました。これを電気式にしたのがハモンド・オルガン、さらに電子式に発展してきたのが現在の電子オルガンです。
 ところが現在の電子オルガンの音は大変良くなったのですが、あまりにも複雑になり、自分が普段弾いているのとは違うメーカーのものは、なかなか取っつきにくくなってしまったようです。また以前のように(といっても40年も前ですが)さまざまなメーカーの電子オルガンを弾き、聞きくらべて楽しむ雰囲気が戻ってこないかなあ等と思っている時に、このコンテストが2回目という事。大変有意義であり楽しみでもあります。
 あぁ、冒頭のピアノは浜松市楽器博物館にあります。
 沖 浩一(相愛大学名誉教授)
 
  電子オルガンはメロディ、コード、ベースのすべてのパートを一人で演奏出来る素晴らしい楽器だと思います。ただし奏者のアイデアや個性が表現しやすい反面、楽器の機能に縛られてしまう危険性があると思います。どんな楽器でも、音楽性と個性で人々に共感を得る演奏を目指すこのコンクールに期待しています。
 参加してくださった皆様の演奏を楽しみにしています。
 佐々木昭雄(オルガンプレイヤー、編曲家)
 
  僕は昨年の第1回アマービレ電子オルガンコンテストに次のような応援メッセージを寄せました。
 「大学時代、ストリングスだけの1音色で(ヤマハエレクトーンEL90の基本レジスト1)何でも練習していました。それは確かにサウンドとしては物足りないのですが、音楽性をその音からどこまで感じて出すことができるのか、を試したくてやっていました。恩師からの「この基本音色で感動させてみなさい」という一言が始まりでした。全てこの音色でタッチトーンやエクスプレッションペダルの駆使、音楽的な呼吸、アゴーギグ、人数感、アーティキュレーション、ダイナミクス、ソリスティックなアプローチなどその経験から得たものは絶大で、今の糧になっています。指先だけではなく、筋肉、足の爪先の神経、目線、姿勢、体全体に及ぶところにまで細胞をすべて使っていたのです。
音色も大切な要素ですが、わたしたち人間が音楽を する、という行為に楽器の垣根はありません。そこに音楽を紡ごうというエネルギーが一番大切です!」
 今年もまったく同じ気持ちです。昨年は遠くから応援していましたが、今年はこの会場で、直接皆さんの演奏を聴かせて頂けるのを大変嬉しく思っています!
内海源太(電子オルガン奏者)
 
   佐々木邦雄です。今回「第2回アマービレ電子オルガンコンテスト」の全課題曲を作曲させていただきました。クラシック〜ジャズまでジャンルを問わず、全ての参加者の皆様方に気持ち良く演奏していただけるよう工夫しました。作曲に際して特にポピュラー系の課題曲では、実兄の佐々木昭雄先生にもアドバイスをもらいました。課題曲にふさわしい内容に仕上がっていることを願っています。
 各曲それぞれレベル・ジャンル別の課題曲ですが、タイトルとそのイメージを楽譜に込めてありますので、演奏に際しては音楽的表情付を是非お願いします。それにはまず「自分はこういう<音>や演奏表現をしたい!」という意思を持ってください。そして思ったとおりの音が演出できる力のことを「演奏テクニック」と呼ぶと私は思っています。
 皆様の演奏テクニックと、常識に支えられた個性豊かな演奏表現を楽しみにしています。なお今回、私も課題曲の演奏審査員に加えていただくことになりました。皆様の演奏に対して公平な審査が出来るよう精一杯務めますので、どうぞよろしくお願いいたします、ありがとうございました。
佐々木邦雄(作曲家)
 
 第2回アマービレ電子オルガンコンテスト開催おめでとうございます。
 世の中の発展と進歩は、目をみはるスピードで進んでいます。世界の各地でいろんな文化が生まれ、廃れ、また生まれていきます。その中で素晴らしい不変的なものが残り、未来へと受け継がれていきます。
 今日参加してくれた皆さんも、あなた自身の音楽とともに大きく成長し、心豊かな人生を歩まれますように。音楽は万国共通語です。
 音楽でもって世界中の人と友達になるのも夢ではありません。
 未来へ向かって。
当麻宗宏​

2014年 第3回コンテストプログラムより

 前回初めて審査をさせていただき、皆さんの奏でる音楽から電子オルガンに向けた情熱と愛情に深く感動しました!今年も審査に参加できることを大変光栄に思っています。
 電子オルガンが音楽を発するのではなく、音楽はその人自身の言葉です。
電子オルガンを隅々確かなテクニックで操ることをへて、はじめてその人の伝えたい言葉が音楽となります。
 1つのレジストで音楽を作り上げる、という素晴らしいコンセプトのこの大会を、これからもずっと見守りたいです。皆で素敵な1日にしていく一体感も味わいながら、これからも長く深く広く電子オルガンの魅力を伝える大会となれば、と願っています。
 十人十色な音楽のメッセージを楽しみにしています!
電子オルガン奏者 内海源太
 
 今日のコンテストに使う電子オルガンはどれも技術の高度な発達のおかげで実に沢山の事が出来るようになっています。音色の種類も沢山あるので、せっかく買って貰ったのだから全ての機能を使いこなしてやるぞ!・・・と思う気持ちは分かりますが、そんな事をしようとすると時間ばかりかかってしまいます。それよりももっと大切な事があります。それはこのコンテストがめざしている「シンプルなレジストレーション」で演奏する事で音楽の一番大切な事が見えてくるのです。それは“音楽の表情”です。どんなに多くの音色を使い、ビックリするような超絶技巧の指使いで演奏しても“無表情”な音楽は、それを聞かされる方には“音が苦”でしかありません。そうです、その表情をつける為の装置が“エクスプレッション・ペダル”なのです。それこそが電子オルガン演奏の一番難しいけれども、一番大切で楽しいところと言えましょう。今回の課題曲も又シンプルなレジストレーションなので、“エクスプレッション・ペダル=表情ペダル”を駆使した音楽をたっぷりと楽しめそうです。
相愛大学名誉教授、課題曲作曲者 沖浩一
 
 第3回アマービレ電子オルガンコンテストの開催、おめでとうございます。
私どもは“Music is a thing that everybody should enjoy.”(音楽とは、誰もが楽しむべきものだ)という、ローレンス・ハモンドの言葉に共感し、ハモンドオルガンの文化を継承し続けておりますが、本年はハモンドオルガンの発明よりちょうど80周年に当たります。
現在の電子オルガンには各社様々な機能が搭載されていることと思いますが、そういった機能に頼らないところの共通の土俵で奏者が競い合うという、今までありそうでなかった、また、なければならない機会と場所を、このコンテストが提供していることは称賛に値します。メーカーといたしましては、このような舞台で演奏者の皆様にご満足いただける基本的なサウンドづくりにこそ、ますます磨きをかけねばなりません。
そんな基本を思い起こさせていただいたこのコンテストが、今年も素晴らしい演奏で盛会となりますよう、願ってやみません。
株式会社 鈴木楽器製作所 代表取締役会長 
株式会社 ハモンド・スズキ 代表取締役  鈴木萬司
 
 第3回、アマービレ電子オルガンコンテストの開催おめでとうございます。
 コンテストで使用いただくヤマハエレクトーンは、上鍵盤・下鍵盤・ペダル鍵盤の3つの鍵盤を使ってリアルタイム演奏し、音楽表現する楽器であることを基本コンセプトに、1959年の誕生から半世紀以上にわたり進化し続けています。
 多彩な音色を装備し、1台の楽器で色彩豊かなオーケストラサウンドをも表現することが可能なエレクトーンは、お子様や初心者の方のソロ演奏であってもダイナミックなサウンドが響き、初めて聴き、目にした方が驚きの声を上げられるシーンをよく見かけます。一方で、様々な演奏や音楽シーンに対応する為に多機能となり、難しいというイメージを持たれることがあるのも事実です。
 「素のテクニック」の大事さを訴求するアマービレの活動は私どもメーカーの枠を超えて電子オルガンの開発、普及のあり方に一石を投じていただいたものと認識しています。  
 ご来場の皆様には、ご出場者が電子オルガンで奏でる音楽の魅力を感じていただきますとともに、電子オルガンに興味を持っていただき、いつか演奏してみたい、習ってみたいと思っていただけたら幸いです。
 事務局の皆様はもとより、課題曲の作編曲家、審査員、指導者の皆様方の熱い想いに支えられ、アマービレ電子オルガンコンテストが盛会となることを確信しますとともに、今後、このコンテストが永く歩んでいかれますことを心より祈念します。
 株式会社ヤマハミュージックジャパン  代表取締役社長 土井好広
 
  私は「奏でる」という言葉が好きです。
 楽曲に向き合いそこにこめられた音楽を深く理解し自分の言葉として表現する、「このようなフレーズにしたい、このような音にしたい」ということをしっかりイメージできている、その楽器の最高に美しい音でフレーズに命を吹き込む…このような演奏のことを「奏でる」と言うと思うからです。「弾く」という言葉よりはるかに音楽的で表現豊な演奏のことを言うのだと思っています。
 しかしながら3つの鍵盤を駆使しなければいけない電子オルガンではどうしても手足指を動かす「運動」そのものが注目されるように思います。
また多彩な音色をどのように使うのかということや機能を駆使すること等、心を配らなければいけないことがたくさんあり、「奏でる」ということが後回しになってしまうことも多々あるのではないでしょうか?
 いや、やはり楽器は奏でているときが一番楽しいはず。
様々なメーカーの電子オルガンと『奏でる』ことを大切に感じられているオルガニスト達が一同に会するこのアマービレ電子オルガンコンテストの開催は大変喜ばしく、今回課題曲の作曲ということで参加させて頂けた事を大変光栄に感じております。
 皆様が奏でる電子オルガンの響きでホール全体が豊かな気持ち溢れるような、素敵なひとときになりますよう心からお祈りしています。
作編曲家、エレクトーンプレイヤー、課題曲作曲者 鳥居達子
 
  第3回 アマービレ電子オルガンコンテスト開催おめでとうございます。
 オルガンは、ピアノと並んで鍵盤楽器の「王様」と「女王様」にたとえられるような代表的な楽器です。その歴史はたいへん古く、紀元前から始まります。
 その後長い歴史の中でパイプオルガンやシアターオルガン、ジャズオルガン、電子オルガンなど様々なオルガンが誕生しました。それぞれが個性豊かな魅力を持っていますが、基本的な奏法はその長い発達の歴史の中で伝統を受け継ぎながら培ってきたものです。
 本日は、そのようなオルガンの基本奏法を存分に活かした演奏を期待しております。そしてオルガン本来の演奏表現の素晴らしさを受け継ぐ本コンテストの発展を心から願っております。
 ローランド株式会社 代表取締役社長 三木純一​

2015年 第4回コンテストプログラムより

 子供の頃から電子オルガン(ヤマハエレクトーン)と出会い、その楽器の持つ多様性そしてその奏でる音楽、演奏に魅了され、私なりの目標、夢を持って現在まで続けてきました。私の場合は、その後のオペラとの出会いにより、より一層のエレクトーンの魅力を見つけることができたことが、この楽器に機械としてではなく、表現媒体として取り組む大きなキッカケになったことは間違いありません。
 楽器の技術的な進歩とともに、いつの間にか表現(自身による演奏)よりも、楽器に頼る演奏が多くなりつつあることに疑問を感じていたところに、このアマービレ電子オルガンコンテストの存在は、衝撃とともに喜びでした。
 前回のコンテストを観た時に、皆さんが喜びに満ちた演奏をしていたことは、感激でした。本物の音楽を目指し、喜びとと共に演奏するたくさんの人々と共に電子オルガンの可能性に挑戦していきたいと思います。電子オルガンの表現力を、自分自身の演奏によって、より素晴らしいものにしていくことに、たくさんの賛同者が集うことを祈念したいと思います。
 そんな『志』を持ったアマービレ電子オルガンコンテストを応援していきたいと思います。
洗足学園音楽大学教授・電子オルガン演奏家 赤塚博美
 
  電子オルガンのたくさんの鍵盤やボタンに魅了されて、僕は幼少のころ、この楽器と出会いました。そんな僕にとって電子オルガンのメーカーが複数世界に存在する事実はとても刺激的なことです。様々なオルガンが集うこのコンテスト、世界中探してもなかなかありません。なんて夢のような場所なのでしょう。
 また注目すべきは、それぞれの電子オルガンの機能や音色だけでなく奏者個々の表現の違いや音楽の多様性、個性にあると思います。エレクトーンだけを例にしても東南アジア諸国の表現と日本人とでは出てくる音楽に土着的な違いがあるのと同様に、これまで聞いたことがなかった新鮮な表現のありかたを目の当たりにする瞬間がこのコンテストにはあります。元々のメーカーごとのコンセプトもありますし、異なるメーカーの電子オルガンどうしの連鎖、時に化学反応もあり、電子オルガンの表現の可能性はとてつもなく広く無限にあるなぁといつも感じています。そうした人間と楽器とが織り成す、十人十色な音楽表現と出会える日を楽しみにしてきました。さらに今日は僕自身も夢であった、こうして隣り合わせで並ぶ楽器を使い何かコラボレーションできないか、どこかでお時間をいただき、また一味違った面白い体験をしようと思います!
 課題曲部門の後あたり…。皆様ぜひお楽しみに!(笑)  
電子オルガンプレイヤー 内海源太
 
 一曲きかせてください、などと音楽の事を“曲”ともいうのは何故だろう。
曲という字は「根性が曲がっている」、「曲者(くせもの)」「歪曲(わいきょく)」というように、悪い意味を表すも事もある字を綺麗な音楽にあてたのは、どうしてだろうと、へそ曲がりなことを、ある時考えました。
 いろいろ調べてもよく分からないので自分で推測しました。
もしもメロディ、ハーモニー、リズム等が曲がっていなくて直線的な曲を聞かされたら拷問そのものでしょう。
 しかしただ曲がっているだけでは面白くない。それらが美しい曲線をなしていなければならない。
 その美しい曲線の大切な一つを担うのが去年のこの欄で書きました「エクスプレッションペダル」です。
 この美しい曲線を作り出し、味わう事が音楽の楽しみでしょう。
 おまけですが、宇宙空間も重力のせいで曲がっているのだそうです。
相愛大学名誉教授 沖 浩一
 
もう4回目ですね。早いものです。今回は不肖私に課題曲全12曲を作曲させていただき、ちょっとしんどかったけどとてもハッピィでした。
最初に作ったのが〝草原を走れ〟ですが、うっかり〔上下鍵盤、ペダル鍵盤ともそれぞれ一つの音色だけで、レジスト・チェンジはなし〕という制約を忘れていて、私自身も〝頻繁なレジスト・チェンジを前提にして〟これまで作・編曲をしていたんだなと気づきました。しかし、その〝制約〟は決して難しいものではなく、作曲上、表現上何の支障にもなりませんでした。
いま考えるに僕が電子オルガン〝エレクトーン〟に手を染めたのは、今から50数年まえの1960年頃、当時は〝夢の楽器〟のように思え、すぐに飛びつきました。その後楽器は頻繁なモデルチェンジを経て現在の楽器に変貌してきましたが、それでも僕は、他の音色はまだしも〔ストリングス〕の音質がもうひとつ良くならないかと切望しています。サンプリングで〔ストリングス〕そのものを追求しようとせず、他の音色、たとえばフルートやホイッスルなどを加味して、とにかく耳にやさしい音色を作って欲しいのです。
 このコンテストも回を重ねるにつれ少しずつ変貌して行くでしょうが、そのうち参加者自ら(もちろんその先生も)が音色作りも競うようになり、そうなった時はじめて、このコンテストは電子オルガン界のみならず、外に向けてもより意義あるものになると思います。ご健闘を祈ります。
課題曲作曲者 菊地雅春
 
  世界共通の言語でもあると言われる音楽を一台の電子オルガンで演奏するという事には 様々な要素が含まれています。たとえ 同じ音色で演奏しても メロディの歌い方や 伴奏のリズム、ハーモニーなどに演奏者の音楽性や経験、技術など 全て現れて、一人々々異なった音楽になります。全ての要素がバランスよく表現された時に感動的な演奏になるのではないでしょうか。
 皆さんの感じる音楽を素直に表現して下さい。
オルガンプレイヤー、編曲家 佐々木昭雄
 
 アマービレ電子オルガンコンテストは画期的でユニークなコンテストです。
それは、どんな電子オルガンでも弾けることを目標に、普遍的な作品を輩出している、課題曲部門に集約されています。
 今まで電子オルガンの世界では、その先進性から、奏者が自由に音楽することにベクトルが向けられていました。それがアマービレでは、課題曲があったり、音色が制約されていたり、とベクトルの向きが逆です。これらは一見、相反するものですが、しかし根底では一緒のものです。制約の中で、音楽する心と技術を培い、高める。このことが次に自由に音楽する際には、とてつもない原動力と表現力になっていくからです。
 さて、課題曲を弾くことには三つの「向き合う」ことがあると思います。
 一つ目は「楽譜と向き合う」。作曲家や編曲家が込めた楽曲の真実を「謎解き」していくこと。その過程で作者が意図しなかった楽曲の別の一面を発見するかも知れません。楽譜を通じて作者と、楽曲とコミュニケーションしているとも言えます。
 二つ目は「楽器と向き合う」。自分の楽器の基本的な特性を知り、表現方法を体得していくこと。これは楽器とのコミュニケーションに他なりません。
 三つ目は「自分と向き合う」。どんな風に表現したいのかを自分に問い続け努力することで、技術的にも精神的にも飛躍が望めます。
 楽譜はさながら冒険のための地図。本日、翼(=技術)を得たあなたの冒険(=音楽)は、聴衆と魂のコミュニケーションとなることでしょう。
昭和音楽大学講師 柴田薫
 
  ひと口に電子オルガン演奏と言いましても様々なスタイルがあります。上達するにしたがって、聴く人を惹き付ける演奏とは? という最も大切なことを意識するようになるでしょう。そして、特に軽音楽ではしっかりしたアレンジの力を身につけなければならないことにも気付くでしょう。
 あらかじめ作り込んだ音楽データに頼らない、両手両足を駆使したリアルタイム演奏と個性あふれるアレンジが本来のオルガン演奏の楽しさだと思います。
 今回、初めて審査をさせていただきます。みなさんの電子オルガンへの熱い思いをこめた素晴らしい演奏を楽しみにしています。
作編曲家 電子オルガンプレイヤー 橘ゆり
 
 アマービレ電子オルガンコンテストは 古代の古墳群に囲まれたここ羽曳野の丘のパイプオルガンを備えたこのホールから第1回目の産声を上げ 今回第4回目を迎えました。このコンテストの特長は課題曲部門があることです。最新のテクノロジーを結集して生まれた楽器電子オルガンで決められたシンプルな音色で曲を表現することです。これは音楽を学習しより深く豊かな音楽を友として歩むための大切な一粒の過程です。今日の経験も大切な今後の糧となりますよう。
当麻宗宏
 
 長年電子オルガンの普及、教育に携わってこられた皆様の、真に手作りのコンテストが、4年目を迎えられたことを心よりお祝い申し上げます。
音楽や楽器の演奏を学ぶ上でも、気軽に、楽しく、はとても良いことではありますが、一方、大げさな言い方かもしれませんが、重厚に物事に取り組むことの価値も忘れてはならないと思っております。楽器の性能に頼らない、素の演奏を評価されるこのコンテストは、出場者の皆様にとってとても過酷かと思いますが、日頃から音楽、楽器に真摯に向き合っておられる姿が拝見できるものと確信をしております。ご来場の皆様も是非、輝かしい参加者のこの姿に温いご声援をただければ幸いでございます。
最後になりましたが、これからも本コンテストが皆様の情熱に支えられ、更に発展、継続されることを祈念いたしております。
株式会社ヤマハミュージックリテイリング代表取締役社長 葉山和雄
  
 第4回アマービレ電子オルガンコンテスト開催おめでとうございます。
 オルガンは従来、その大きさや費用から教会など限られた場所にしか設置できないものでしたが、電子オルガンの誕生と発展によって、今ではどこでも手軽にオルガン演奏を楽しめるようになりました。このコンテストは、メーカーやオルガンのタイプの枠を超えて、様々なオルガンの個性や魅力にふれることのできる非常に貴重な場だと思います。本日登場する様々な電子オルガンは、どれもオルガン本来の魅力を受け継いだ素晴らしい楽器です。オルガンの魅力である多種多様な音色に弾き手の皆さんの気持ちを乗せて、本日はぜひ皆さんの個性を存分に輝かせてください。そして、今後もオルガン本来の自由な演奏表現のすばらしさを広げていくこのコンテストの発展を願っております。
ローランド株式会社 代表取締役社長 三木純一
 
  私は幼い頃カワイ電子オルガン、ドリマトーンと出会い、約40年演奏しております。
子供時代にはラテン、ジャズ、タンゴ、スクリーンミュージックなど、決して楽しい(!?)とは言えない、ありとあらゆるジャンルの曲を演奏してきました。今はそのことがとても役に立っていますが…。中学高校の時には、雑誌“平凡”や“明星”についている歌本のコード付きメロディ譜を見ながら適当に演奏することを覚えました。グレード試験やコンクールに向けて“1曲入魂”するのとは違い、自由に音色やリズムを考えながら、耳に残っているオブリガートやオカズを入れながら即興的に弾いていました。電子オルガンが現代のように大した機能や、リアルな音色を持っていてくれなかったおかげで、その限られた機能や音色からさまざまな工夫をし、毎日楽しく弾くことに集中していました。楽器は進化しましたが、自分の弾きたい曲を“クリエイティブに自分らしく弾く”、そんな電子オルガンの良さを多くの人に味わってもらいたいと思います。
 僕が教えている大学では、昨年の定期演奏会で、カワイ、ローランド、ヤマハ3社の電子オルガンを並べ、各音楽教室出身の専攻生によるアンサンブルという試みを行いました。メーカー間で壁のある3社の音が融合した瞬間、涙が出ました!
 出演者のオリジナリティー溢れる唯一無二の演奏により、電子オルガン好きが集う第4回アマービレ電子オルガンコンテストが盛会となりますよう祈念しております。
広島文化学園大学学芸学部音楽学科非常勤講師
森光 明

 

2016年 第5回コンテストプログラムより

 第5回アマービレ電子オルガンコンテスト、おめでとうございます。今年も多くの電子オルガン愛好者の皆様が全国からLIC羽曳野に集まって楽しく演奏を競われることを本当に嬉しく思います。
 「素の演奏」、「機種に依存しない演奏」というコンセプトは、メーカーとして電子オルガンの普及・販売に関わる私達もその想いは常に抱きながらも、具体化できていないテーマだと思います。 それをコンクールという形で実現された代表の建石先生を始めとするアマービレ事務局の皆様の熱意と行動力に、改めて敬意を表します。
 素晴らしい作曲家の方々が課題曲を書き下ろされ、珠玉の作品として積み重なってきていること、著名な演奏家、指導者の方々が審査にあたられ、出場者に温かいエールを送ってくださること、全国各地から応募があることなど、多くの方々がこのコンクールの趣旨に賛同されていることの表れだと思います。
 私は当コンテスト立ち上げから、今に至るまで電子オルガンメーカー社員として、ごく僅かなお手つだいしかできておりません。 今後、社員という立場を離れたときに、果たして何かお役に立つことができるのかを自身に問いつつ、第5回の盛会を心から祈念いたします。    
 株式会社ヤマハミュージックジャパン西日本営業部中四国・九州営業課 岩崎 薫
 
   当アマービレ電子オルガンコンテストの5回目開催を心よりお祝い申し上げます。
毎年一年の締めくくりに”今年の漢字”が発表されますが、昨年は「安」が選ばれました。ちなみに一昨年は「税」その前は、「金」、「絆」、「暑」、「新」となっていたそうです。 「安」は、安倍政権の安、また、安全保障や不安を反映したものだそうです。世の中の急激な変化、将来の不安などにも影響されているのかもしれません。日本も人口減の環境の中で労働人口減による税収減や雇用不安、年金問題など経済に関する不安が渦巻いています。
 一方、こんな世相だからこそ、感動、共感、精神性の価値が見直されているのかもしれません。昨年のラグビー日本代表の活躍、絶対に勝てないと言われていた南ア戦に勝利し、今までメジャースポーツではなかったラグビーが日本全国から注目を浴びたことも記憶に新しいところです。
本日は、電子オルガンを一生懸命学んでいる皆様方が参加され、コンテスト形式で演奏されます。上手に演奏できた人、失敗してしまった人、演奏後には様々な思いがあると思います。音楽はスポーツと違い日々の練習や演奏の場面で勝ち負けがあるわけではありませんが、音楽と真摯に向き合うことで、きっと新たな感動が生まれることと確信をしております。
 一時の結果にとらわれず、末長く音楽を愛し続けていただけることを祈念し、お祝いの言葉とさせていただきます。
 皆様、本日の輝かしいコンテスタントに温かいご声援をいただければ幸いでございます。
 株式会社ヤマハミュージックリテイリング 取締役副社長  江沢博昭
 
 アマービレの真心が全てですね。
公益財団法人かけはし芸術文化振興財団 理事 梯 郁太郎
 
 アマービレ電子オルガンコンテストは、楽器メーカーの枠を超えて演奏者の表現力を追求する素晴らしい機会の誕生として嬉しく思っています。
 私自身ピアノのレッスンと共にグループレッスンでごく自然にエレクトーンに触れるようになり、いつの間にかその道に進んで来ました。エレクトーンを通してアンサンブルの楽しさを体感し、様々なジャンルの音楽を気軽に演奏するようになり、後に作曲編曲への大きな役割を果たしていると感じています。
 メロディー、ハーモニー、リズム、ダイナミックスを、両手両足を使い表現できる唯一の楽器から、後世に残る楽曲が誕生することを願っています。パソコンやロボットができることと、人間にしかないできない表現力を、改めて問いながら・・・最新の楽器から生きた音楽が奏でられることをアマービレ、そして電子オルガンの世界に期待しています。
相愛大学創作演奏専攻 教授
  エレクトーンプレーヤー 柏木玲子
 
   アマービレ電子オルガンコンテスト第5回大会の開催、誠におめでとうございます。永年、電子オルガンを指導してこられた先生方が、電子オルガンを、そして音楽を学ぶ方々によりよい、質の高い音楽環境を提供できないかと英知を結集して誕生したコンテスト。もう今回で第5回目となりました。初回から観客やスタッフとして私も参加させて頂きながら、回を重ねる毎に研かれ、進化するコンテストに、そして出場者の皆様に、NPO電子オルガン普及研究事業アマービレの皆様に、コンテストに関わられている皆様に、敬意を表したいと思います。
  第5回のコンテストに於きましても素晴らしい音楽、仲間との出会い、新しい気づき、感動、・・・と、様々な出来事が起きるエキサイティングな一日になりますことお祈りしております。
私ごとで恐縮ですが、高等学校時代にアマービレ代表である恩師に師事し、電子オルガンそして音楽を深く教わりました。それ以降、電子オルガンやパイプオルガンを軸とする音楽を続けて今日にまで至っています。人生の様々な出来事の中で、音楽がいつも私に勇気ややる気、元気を与えてくれていました。
皆様にとりまして音楽が生涯の友となり、より豊かな人生を展開されますことを重ねてお祈りし、私のお祝いの挨拶とさせていただきます。
 松本歯科大学口腔解剖学第一講座 教授 金銅英二
 
 第5回アマービレ電子オルガンコンテスト開催おめでとうございます。
 電子オルガンの音楽は、弾いても聞いてもまた教育的にもすばらしいものです。どうしてこの素晴らしさ、良さ、魅力がもっともっと世の中に知られないのでしょうか?
 楽器メーカー、教育者、ミュージシャン、楽器業界全体の怠慢かもしれません。電子オルガンの誕生からこれまでの経緯を踏まえ、今後について、それぞれの立場を踏まえ、またその立場を乗り越えて、考える時期なのかもしれません。電子オルガンはこのままでは、絶滅危惧種から絶滅種になってしまいます。
 今日は、そんなことや将来の夢を考えながら、コンテスタントの演奏を楽しみたいと思います。
 コンテスタントのみなさん、ご自身で演奏を楽しみつつ、人の心に伝わる演奏をよろしくお願いします!
 株式会社ヤマハミュージックジャパン 代表取締役社長 土井好広
 
 第5回アマービレ電子オルガンコンテストの開催おめでとうございます。
コンテストの回を重ねる毎に着実に皆さんの演奏のレベルが上がってきており、とても嬉しく思います。何よりも、客席で皆さんの演奏がとても楽しめるようになりました。見ていて楽しい演奏というのは、同じ曲でも、各個人で演奏表現の方法が違う、「ああ、こんな演奏表現があったんだなあ!」という意外性が重要で、それが観客の感動につながるのだと改めて実感しました。
 良い演奏というのは、演奏の基本テクニックがしっかりしているのはもちろんのことですが、人を楽しませるということを重要視するならば、この意外性、すなわち、個性ある演奏を意識してみると良いと思います。
 電子オルガンは、音楽表現のための自由度が高く、各自のアイデアが生かしやすい楽器です。日頃の練習で、個性を発揮するためのさまざまなアイデアの種を見つけてみてはいかがでしょうか?
 元ローランド株式会社 取締役 刀祢雅広
 
  音楽を、自ら紡ぎ出すことができる歓び。楽器を演奏できるということが、どれだけ人生を豊かにしてくれているか。
 そして、その表現媒体として、電子オルガンを選ばれたみなさん。世の中にたくさんある鍵盤楽器の中でも、電子オルガンは、幅広い音楽ジャンルの”世界観”を1人で表現できる、数少ない鍵盤楽器です。
 自分の出す音をイメージしたら、両手両足を存分に駆使し、心を音で思い切り体現しましょう。
 今日この場にいるみなさんは、それが叶うのだから。
 作編曲家・キーボーディスト 平沼有梨
 
  この度は、第5回アマービレ電子オルガンコンテスト開催おめでとうございます。2011年にアマービレがスタートする際、建石紀子先生から気持ちの詰まった計画や熱い想いを聞かせていただいておりました。そして私自身、未熟ながら全く同じ気持ちで賛同していながらも、なかなかお手伝いさせていただく時間を確保出来ずに数年が経ち、2014年秋、今回の課題曲部門の全作品の制作を担当させていただくこととなりました。
 課題曲の制作は、幼児部門から高校生・一般部門まで、それぞれの世代の生活に寄り添うように題材を設定し、全12曲がその生活のヒトコマを応援するような存在でありたいという願いを込めて作編曲しました。
 課題曲部門にチャレンジ下さった皆さん、本日までそれぞれの曲と付き合って下さり本当にありがとうございました。演奏される方の様々な表情を感じることが出来ることを楽しみに、私自身学ばせていただく気持ちで、自由曲部門も含め一曲一曲丁寧に大切に審査させていただくことをお誓い申し上げます。
 電子オルガン各メーカーそれぞれに抱える事情がある中、メーカーの垣根を越えて催されるこのコンテストの意義は大きく強い志を感じます。
 電子オルガンを演奏なさる方の心と手と足が"音楽"を感じ、そして奏でること。それは、テクノロジーの進化やリアルな音色を飛び越え、はるかに大切で尊いものです。
 今日は皆さんと一緒に、私自身もその思いをさらにしっかり胸に刻む一日にします。
 相愛大学講師 藤村 亘  
 
 第5回アマービレ電子オルガンコンテストの開催おめでとうございます。
 ご存知の通り、オルガンは紀元前から続く長い歴史を持つ楽器です。今日までに、パイプオルガンやシアターオルガン、ジャズオルガン、電子オルガンなど様々なオルガンが誕生してきました。  
 中でも、電子技術を使って多彩な音色を奏でることのできる電子オルガンは、電子楽器が発展していくきっかけとなった楽器です。現在の音楽シーンにおいて、電子楽器はなくてはならない存在となりましたが、そのルーツは電子オルガンにあると言っても過言ではないと思います。
 本日出演される皆さんは、ぜひ電子オルガンを演奏できることに誇りを持ち、自分だけの音を存分に奏でてください。そして今後も楽器を演奏する喜び、音楽に触れる喜びを、一人でも多くの方に届けてくれることを心から願っています。
 ローランド株式会社代表取締役社長 三木純一
 
 アマービレ電子オルガンコンテストを開催されている関係者のご努力に感謝と敬意を表します。
 自由に自己表現できる力を持てることは、人として最高の喜びであり、そのために人は、他の動物にはない芸術活動を行い、優れた作品に共感して心の豊かさを享受することが出来、それゆえ多くの音楽を演奏する方々は日々研鑽を重ねています。
 私は電子オルガンの世界が、オルガン演奏にのみこだわっていては、衰退の道を歩むことになるのではないかと思っています。もちろん数あるアコースティックな楽器でも豊かな感情表現ができますが、そのためには高度の熟達とともにスケールの大きな表現のためには、一人では限界もあり、オーケストラのように多くのメンバーを必要とします。
 もちろん電子オルガンでの音楽表現にレベルの高い演奏力が求められますが、既成の曲がなかったこともあり、創造の世界は無限に拡がり、編曲や即興演奏など自由な表現が許されています。加えて急速に進歩する電子機器、電子楽器、映像機器との連携で、一人で創れる表現の世界は、すばらしい世界が広がっているのではないでしょうか。
 電子オルガンを愛する皆様が、オルガンを母艦として、未来の音楽の世界を創る気概をもって音楽活動を続けられることを期待いたします。
日本クラシック音楽事業協会参与
音楽産業・文化振興財団評議員 善積俊夫

第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
bottom of page